OBD2スキャナーをつけてわかった燃費を改善する3つのテクニック
近年、自動車メーカー各社は0.1km/Lでも良い燃費の車の開発にしのぎを削っています
燃費の良い車を買うのも良いですが、折角の燃費の良さも車の運転次第で台無しになってしまうこともあります
逆に言えば、仮に今乗ってる車があまり燃費の良い車でなくても、運転次第で改善できる余地はあります
今回は車のデータを可視化する装置(OBDII スキャナー)を取り付け、得られるデータを元に燃費を改善するテクニックを紹介します
今回データを取るのに使用した機械
OBD2端子に接続する事で、車のデータをブルートゥースで飛ばしてくれるスキャンツール(診断機)です
飛ばしてきた信号をスマートフォンアプリで受信して、各種データ(燃料消費量、回転数、水温など)を表示しました
ちなみに、こういったディスプレイ付きの商品もありますが、今回は信号だけを無線で飛ばしてくれる安いOBD2診断機を購入しました
OBD2
オン ボード ダイアグノーシス(On Board Diagnostics)の略で、車のECUから信号を取得する診断機を取り付けるためのコネクタの名前です
車のエラー情報の確認・消去などの他に、各種データを取得することができます
アイドリング状態時の燃料消費量
まずは、走行していない状態のアイドリング状態での燃料消費量を調べました
アイドリング状態:0.35〜0.37cc/秒
(暖気が終わって、エンジンが十分温まっている状態での測定)
大体、毎秒0.36cc前後のガソリンがアイドリングで使われていました
計算上では、1時間で約1.3リットルものガソリンがなくなることになります
なお、ギアはDレンジでの計測値ですが、Pに入れても燃料消費量は変わりませんでした
アイドリング状態というのはエンジンを止める事無く、最低限動かして置く程度の状態ですから、エンジンが動いている状態ではこれが燃料を消費する下限の値となります
このアイドリング状態での消費量を基準に見ていきたいと思います
走行時の燃料消費量
信号待ちの停車時から、前の車についていく程度の加速では大体2.5cc〜3cc/秒の消費量でした
なお、消費量が激しいのは上り坂や、急な加速の時でした
上り坂や急加速だと、大体3cc〜5cc/秒は消費します
もちろんアクセルの踏み方次第ではもっと多くの燃料を消費しますが、日常的に踏み込む程度でも4cc/秒前後は消費しています
燃費の良い走り方
さて、本題となりますがデータを見ながら走行していると、あることに気がつきました
アクセルオフでガソリン消費0
走行中にアクセルをオフにすると、燃料がカットされてガソリン消費が0になります
ですから、先の信号機が赤になってるのを確認したらアクセルをオフにして惰性で走行すれば、その区間はガソリンが消費しないので燃費が向上します
シフトダウンしなくてもOK
下り坂ではAT車でもマニュアル操作でシフトダウンすることで、燃料がカットされますが、別にシフトダウンしなくても燃料はカットされます
長い下り坂を降りる時にはシフトダウンを使ってエンジンブレーキを積極的に使用することで、ブレーキフェードを避ける目的もありますが、燃料カットの目的でシフトダウンする必要はないということです
ブレーキを踏んでいる時間も燃料カット
これは意外な発見でしたが、アクセルペダルから足を離してブレーキペダルを踏んで減速している間も燃料はカットされています
燃費運転ではなるべくブレーキを踏まない運転を心がけるべきですが、一方でブレーキを踏んでいる時間は燃料がカットされています
アクセルオフから燃料カットまで1秒弱
アクセルオフにしても瞬時に燃料はカットされません
だいたいアクセルペダルから足を離してから、燃料がカットされるまで1秒程度かかりました
停車で再び消費開始
アクセルオフで燃料がカットされますが、そのまま車速が落ちて時速4km程度をきると、駆動が切れてアイドリング状態に移行するためか、再びアイドリング状態の燃料消費が始まります
ゆっくり惰性で走ると燃費アップ
つまり先の信号が赤だった場合に、素早く信号にたどり着いて停車するとアイドリング時間が増加するので燃費が悪くなります
なるべく時速4kmを切らない速度で惰性で走行する時間を伸ばすことで燃費が向上します
燃費運転まとめ
以上の結果から、燃費運転に必要な情報をまとめます
1.アクセルペダルは強く踏み込まない
信号機が青になったらガバッとアクセルを踏んで、シグナルダッシュを繰り返してませんか?
アクセルペダルは強く踏み込むほど燃料の消費が激しくなります
ガバッと踏むようなアクセル操作は論外で、mm単位での踏み込みでもそれに応じた燃料が消費されるため、少しでも無駄なアクセルの踏み込みを避けることは燃料の浪費を避けることに効果があります
2.早めのアクセルオフ
前方の交通状況が、例えば信号機が赤であったり渋滞していたら、早めのアクセルオフを心がけましょう
1秒でも早くアクセルをオフにすることで燃料がカットされる時間帯を増やしましょう
3.アクセルペダルはなるべく一定の強さで踏む
車速をコントロールするために、アクセルを強く踏んだり弱く踏んだりを繰り返すと、吸い込む燃料の量が増えるので燃費が悪化します
交通の流れを読んで、なるべくじんわりと一定の強さでアクセルペダルを踏むこむと燃費が良くなります
実験車のデータ
VW ゴルフ6
エンジン排気量:1400cc
アイドリングストップ非搭載
エアコン:オフ
昼間(ヘッドライト:オフ)
夏タイヤ
AT(オートマチックトランスミッション)
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