ついに自動運転が解禁!手放し運転での走行がOKに

自動運転

ついに日本で手放し運転ができる日がやってきました。
今までACC(アダプティブクルーズコントロール)によって、アクセルペダルとブレーキペダルから足を離しての運転は可能でしたが、ハンドル(ステアリングホイール)から手を離すことはできませんでした。

それが手もハンドルを握ることなく走行することができるようになりました。
とは言ってもまだ自動運転レベル2(部分運転の自動化)であり、運転手は常に前方を監視する義務があります。つまり、何もすることがないからと言って、サブタスク(スマホの操作など)をしてはいけないわけですね。

とは言っても、これは大きな進歩なのではないでしょうか。
そこで現時点での自動運転が可能な車種や法律などを紹介します。

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自動運転の定義

と、その前に簡単に自動運転の定義を見てみましょう。
自動運転はアメリカのSAE(Society of Automotive Engineers)という非営利団体によって定義されています。それによると自動運転レベルの定義は以下のようになっています。

1運転支援特定の領域においてシステムは横方向または縦方向のいずれか一方の制御を担当し、ドライバーは残りの運転を担当
2部分運転自動化特定の領域においてシステムは横方向と縦方向の制御を担当し、ドライバーは監視を担当
3条件つき運転自動化特定の領域においてシステムは全ての運転制御を担当し、継続が困難な状況になった時はドライバーに交代する
4高度運転自動化特定の領域においてシステムは全ての運転制御を担当し、継続が困難な状況になった時でもシステムが運転を適切に継続
5完全運転自動化特定の領域に限定されることなく、システムが全ての運転制御を行う。

現在広く普及しているACCは、アクセルとブレーキのみを制御するわけですから、レベル1に該当します。
今回のBMW 8シリーズはそれに加えてハンドルも制御するのでレベル2に該当します。

レベル2までは運転主体がドライバーですが、レベル3以上になると運転主体はシステムに変わります。
レベル3でもシステムによる運転継続が困難な場面では十分な時間を開けたのちにドライバーに運転を交代する必要はありますが、このレベルからシステムが基本的に運転することになりますので、ドライバーはスマホを操作する、読書をするなどのサブタスクが可能になります。

レベル2からレベル3は運転主体が切り替わるので、一気にシステムが請け負う責任や性能が高いもの要求されますので、レベル2からレベル3へはレベル1からレベル2に比べてとても高いハードルあることになります。

ハンズオフの条件

現在日本で可能な自動運転レベル2の手放し(ハンズオフ)運転には諸々の条件があり、その全ての条件に合致した時のみ可能となっています。その条件とは以下の通りです。

  • 高速道路
  • 時速60km以下
  • ドライバーは常に前方を監視
  • すぐに運転をドライバーが交代できる状態にしておく

あくまで自動運転レベル2は運転支援の位置付けであり、その運転主体はドライバーにあります。
その上、始まったばかりの自動運転機能ですから条件が厳しいですが、上記の条件だけでもだいぶ運転が楽になると思われます。

BMW 8シリーズ

日本初(世界初?)の自動運転車はBMW 8シリーズです。
8シリーズはBMWの最上級のラグジュアリークーペで、2018年にフルモデルチェンジしていました。
自動運転が可能となる「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」は2019年夏以降に販売される車に搭載されますが、それ以前の車にはアップデートで機能が解放されるとのこと。

ちなみにお値段は最も安いグレードである「840d xDrive クーペ」が1237万円となっています。
お金持ちは別として、我々庶民にはとても手の届かない車ではありますが、こう言った運転支援システムは決まって最上位グレードから搭載されて、順次下のグレードにも流れてきます。
現在でもBMWは3シリーズにはハンズオフ機能を設定することをアナウンスしています。
8シリーズに比べれば3シリーズの方がグンと安くなりますから視野に入る人も多いのではないでしょうか。

さらにもうしばらくすれば5シリーズ、3シリーズ、1シリーズとどんどん下のグレードにまで反映されるでしょう。また、他車メーカーもすぐに追随するでしょうから、楽しみですね。

日産は2019年秋

日産も同等の機能(プロパイロット2.0)を搭載したスカイラインを2019年秋に販売する予定となっています。スカイラインはガソリン車で427万円〜となっているので、BMW3シリーズとだいたい同価格ですね。
利用にはNissanConnectサービスに入る必要があり、これに年間2万2千円の費用が必要とのこと。

プロパイロット2.0はカメラ、レーダー、GPS、地図データを組み合わせることで自動運転を可能にしてるそうです。おそらく地図データを更新するのに通信機能が必要なのでNissanConnectに入る必要があるのでしょう。

日本は自動運転で遅れている?

自動運転には技術サイドと法的サイドの両方を満たすことで初めて実現可能となります。
いくら技術的に可能となったとしても、法律で禁止されていたのでは実現はできません。

その点において、日本は自動運転でかなり遅れている国かもしれません。
今年2019年3月に自動運転を可能にするための法改正案が閣議決定しました。
これにより自動運転レベル3まで可能になりました。
政府は2020年までにレベル3を目指していますので、それに先立った法改正です。

しかしドイツでは2030年までに完全自動化を目指し、2017年に特定の状況下でシステムが運転を担当するための規定を盛り込んだ法律改正案を可決し、自動運転レベル3の走行が可能になる基盤を作っています。
ドイツは国際的な交通ルールであるウイーン条約に批准しており、このウイーン条約は自動運転化に関して進んでいます。

しかし、日本が批准している国際的なルールであるジュネーブ条約は自動運転に関する取り組みが遅れており、その影響で日本は自動運転のための法律づくりに出遅れていると言えます。

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