絶対に選んではいけない大径ホイールやインチアップ
新車を購入するときに、ドレスアップとして選択する大径ホイール
確かにホイールが大きいと、車がなんとなくカッコよく見えます
しかし、実は大径ホイールを選ぶと後悔する要素が大きいんです
大径ホイール、インチアップとは?
大きなホイールのタイヤは車のカタログを見てると、大体どんな車にも設定されてるオプションです
ホイール部分を大型化することで、タイヤを大きく見せます
実際はホイール部分が大きくなるだけなので、タイヤの外径部分は変わりません
扁平率
扁平率は横から見たときのタイヤのゴム部分の厚みを表す用語としてよく使われます
左の扁平率の高いタイヤ(60扁平)は、ホイール部分が小さくゴム部分が大きいです
逆に右の扁平率の低いタイヤ(35扁平)は、ホイール部分が大きくゴム部分が小さいのがわかるかと思います
扁平率とは、タイヤが設置する幅に対するゴムの厚み(断面の高さ)の割合です。
一般的に断面のゴムの割合が少ないと扁平率が低い(低扁平タイヤ)と呼ばれます。
扁平率は本来、タイヤの幅に対する断面の厚みを表す用語ですが、
現実的にはタイヤを横から見たときのゴム部分の割合を表します
つまり、簡単に言ってしまえば、
扁平率の低いタイヤ = ゴム部分が少なくてかっこいいタイヤ
扁平率の高いタイヤ = ゴム部分が多くて昔の古い車についていたタイヤ
と、とらえてもらって結構です
大径ホイールを選んではいけない理由
その1「乗り心地が悪い」
車には色々な周波数の入力振動が入ってきます
わかりやすく言うと、
「ゴツゴツ」や「ゴトゴト」などは高い周波数、
「ガタン、ガタン」や「ドタン、バタン」は低い周波数です
大きな揺れである「ガタン、ガタン」といった低い周波数はサスペンションで吸収しますが、「ガタガタゴツゴツ」といった高い周波数帯の振動はタイヤが吸収します
このとき、扁平率の低い大径ホイールだと、ゴムの部分が少ないのでタイヤで振動が吸収しきれずに振動が乗員にも伝わってきます
タイヤのゴムとホイールのアルミ、どちらの素材の方が柔らかいか、なんとなくわかりますよね?
はい、ゴムの方が柔らかいです
柔らかいゴムが多く使われている高い扁平率のタイヤの方が、振動をよく吸収できるので乗り心地が良いです
ゴムだけでなく高い扁平率のタイヤは内部のエアボリュームの量も多いので、ショックの吸収性に優れます
+車高調サスで最悪な車に
ただでさえ乗り心地の硬い低扁平タイヤに、車高調整式のサスペンションが組み合わされると最悪な乗り心地の車が出来上がります
スポーツカーで大型ホイールを選ぶ人は、車高調サスで車高を落とす人が多いのも特徴です
そういった車は乗り心地が悪いので、最初は見た目に満足していたも、そのうちに乗り心地の悪さにちょっとずつ我慢できなくなっていきます
そして、たいして乗らないうちに車を乗り換えることになります
中古車市場をよく見ているとわかるんですが、大径ホイール+ローダウンを組み合わせた車は短い走行距離で売りに出ることが多いです
例えばミドルクラスセダンみたいな、標準タイヤであれば十分乗り心地が良い車であっても、上記の組みわせのカスタムをした車は比較的短い走行距離で売りに出されているのをよく目にします
長い時間乗ってるうちに、振動の多さが不快になって嫌になるんでしょう
多くの原因はホイールやサスにあるわけですが、大体の人はそんなことに気づかずに乗り換えてしまいます
非常に勿体無い話です
低グレードが最も乗り心地が良い
これは割とよくある話ですが、同じ車種でも低いグレードの車の方が乗り心地が良いことが多いんです
その理由は扁平率の高いタイヤをつけているからです
安いグレードの方が乗り心地が良くて、せっかく高いお金を出して高いグレードを買った人の方が乗り心地が悪くて損するなんて滑稽な話ですよね
私の知り合いでは高いグレードの車を選んでも、ホイールだけは一番安いグレードのタイヤに後でわざわざ付け替える人もいるぐらいです
その2「タイヤ代が高い」
インチアップしたホイールに組み合わせるタイヤは一般的に低扁平タイヤとなり、標準タイヤと比べて価格が高いものになります
1インチアップでタイヤ代が4割増に
例えばミシュランのプライマシー4というタイヤで見てみましょう
一般的なサイズである16インチホイールの205/55では選択できる銘柄も多く、価格コムの最安値では1本10,700円となっています
ところが、このタイヤのインチアップした17インチになると、最安値は14,860円まで値段が上がります
16インチから17インチに1インチあげるだけでタイヤ代が4割近く高くなります
タイヤが高くなるということは、その分車の維持費が高くなることでもあります
その3「ホイールに傷がつきやすい」
大径ホイールはホイールの面積が大きくなりますから、ちょっとした縁石などで擦りやすくなります
高い扁平率のタイヤであればゴムの部分が擦れるだけで済んでいたのに、ホイールにまで傷が入ってしまうんです
その4「ハイドロが起きやすい」
扁平率の低いタイヤは、ハイドロプレーニング現象がおこりやすくなります
それはなぜか
上でご説明した通り、扁平率の低いタイヤはタイヤの幅が広いです
道路に接地する面積が増えるので単位面積当たりの圧力が低くなります
ということはタイヤが路面から浮き上がりやすくなるというわけです
ハイドロプレーニング現象についての詳細は、こちらの記事をご覧ください
その5「空気圧の低下に気付きにくい」
一般的な扁平率のタイヤであれば空気が少なくなってくると目で見てすぐにわかります
しかし、もともとゴム部分の薄っぺらい低扁平タイヤでは空気圧の減少に気がつきにくいです
低扁平タイヤでは、見て気が付いた時にはすでに空気圧が低すぎることが多いです
ですから低扁平タイヤはこまめに空気圧をチェックする必要があります
大径ホイールのメリット
では逆に大径ホイールのメリットはなんでしょうか?
それは、
かっこいいこと
以上です
・・・
・・
・
そうなんです、大径ホイールには見た目以外のメリットがほとんどありません
でもこんな事をいうと、車に少し詳しい人はこう反論します
「いやいや、ハンドリングとかよくなるし、スポーティーに走れるっしょ?」
確かに低扁平タイヤはタイヤのよじれが少なくなるのでハンドリングが軽くなります
が、逆に轍にハンドルを取られやすいというデメリットにもなります
F1のタイヤは13インチ
それに、あのF1マシンのタイヤの扁平率が13インチであることを考えると、必ずしも低扁平タイヤがスポーツ走行に向いているとは言えません
また、普通に一般道路を走る上で、ハンドリングが軽くなることでそこまでメリットがあるとは考えにくいです
誰も君のホイールなんて見てない
特に新車を買うときは、カタログを見てる時間が最も楽しいひと時です
「ホイールはどれを選んだ方がかっこいいかな?」
「少しお金を出してインチアップしておこうかな?」
などなど。
しかし車は一度乗り込んでしまえば、
「タイヤの扁平率が低いだの高いだの」「ホイール形状がかっこいいだの」は、
自分で見ることができません
他人の目を気にして高いオプションのホイールをわざわざ選ぶ人がいますが、はっきり言って
「誰もあなたの車のホイールサイズなんて見てません」
あなたが高いオプションを選ぶことで喜ぶのは、売上が増えるディーラーの方です
知り合いの車なら見ることもあるかもしれませんが、なんの車種に乗ってるのかを見る程度で、
ホイールが何インチか、なんてよほどクルマ好きでなければどうでもいいことです
それでも、やっぱり車は自己満足的要素もありますから見た目にこだわることも理解できます
しかし、上述した通り大径ホイールやインチアップには大きなデメリットがあることをよく理解した上で選択する必要があります
というか、はっきり言いますがわかってる人・賢い人は大径ホイールなんて選ばないのが現実です
見た目のためだけにこれほど多くのデメリットを覚悟しなくちゃいけないので、割りに合いません
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