夏にエアコンを使っても燃費を落とさない設定方法
7月の梅雨が終わり、これから徐々に暑くなる季節
真夏になるとエアコンを使わざるを得ませんよね
でも車でエアコンを使うと、気になるのが燃費です
実際にどのくらい燃費が悪くなるのか、出来るだけ燃費を悪化させない方法などを紹介します
カーエアコンは10%〜40%燃費が悪くなる
車のエアコンを使うと燃費が10%〜40%も悪化します
具体的には、外気温度が25℃の時よりも30℃の時の方が燃費は悪くなります
また、高速道路走行時よりも渋滞や街乗りなどの低速走行時の方が燃費は悪くなります
高速道路走行時にはもともとエンジンに高い負荷がかかりますから、エアコンの負荷はそれほど燃費に影響せず数%〜10%程度の悪化で済みます
反対に、真夏の40℃近い日に渋滞する道路を低速で走っているとエアコンの負荷が高くなり40%近くも燃費は悪くなります
エアコンを使うとなぜ燃費が悪くなるのか?
車のエアコンはコンプレッサーと呼ばれる圧縮装置を回して冷気を発生させます
その際、コンプレッサーを回すためにエンジンの動力を利用します
その為、エアコンを使うとエンジンの力がコンプレッサーに使われる為、燃費が悪化するわけです
可変容量式コンプレッサー
従来のエアコンは、オンオフをマグネット式クラッチで切り替えていて、コンプレッサーは稼働してる状態と、稼働してない状態の2種類しかありませんでした
しかし、可変容量式コンプレッサーは常にベルトで駆動されているものの、設定温度の負荷に応じて斜板の傾きを変えることによりピストンのストローク量を変化させ、コンプレッサーの容量を可変で変えることができます
これにより状況に応じて負荷を可変で変えることができる為、エアコンを使用していても燃費を悪化しず楽なりました
「温度:20℃ 風量:1」 Vs 「温度:25℃ 風量:5」
可変容量式コンプレッサーは設定温度を低く設定するほど負荷が増加する為、燃費が悪化します
一方、送風ファンは電気の力で回している為、風量が多いと多くの電力を使用する為発電機の負荷が増え、結果燃費が悪化します
そこで疑問になるのが、
「設定温度20℃で風量1」と「設定温度25℃で風量5」はどちらが燃費が良いのか、です?
古い車のエアコンはオンとオフしかない為、設定温度が20℃でも25℃でもコンプレッサーにかかる負荷は同じです
その為、「設定温度20℃で風量1」の設定の方が燃費が良くなります
しかし最近の可変容量式コンプレッサーを採用している車では、設定温度は20℃よりも25℃の方が負荷が少なくなる為、「設定温度25℃で風量5」の方が燃費が良くなります
送風ファンが強く回る為、電力を多く消費しますがコンプレッサーの負荷に比べれば燃費は悪化しません
エアコンを使っても燃費を悪くしないための設定
乗車前に窓を開けて熱気を抜く
真夏などでは、乗車前にすでに車内が高温になっています
乗り込んですぐにエアコンをオンにしてもすぐには冷たい風は出てきませんし、車内の熱を冷やすのにも多くのエネルギーを消費します
ですから、まず乗り込んだらドアや窓を開けて車内の熱を逃がしましょう
真夏の車内は温度が50℃以上にもなります。一方、外気温度は高くても40℃程度ですから、まずは車内温度を外気温度まで下げることでエアコンの消費エネルギーを節約します
設定温度は高め
先ほど説明した通り、可変容量式コンプレッサーは設定温度によって負荷が変わります
ですから出来るだけ高い温度に設定します。ただし、あまりにも高い温度だと我慢が必要ですし、エアコンをつけてるのに熱中症になってしまっては意味がないので、
「暑くもなく寒くもない」程度の温度に設定します
ほとんどの車では25℃前後になるかと思います
この辺は車のエアコンの能力や人の体感温度によっても異なりますが、あまりにも低い温度に設定してるのに涼しくならない場合はエアコンガスが漏れている可能性があります
「欧州車は22度設定が良い」は嘘?
とあるサプライヤーが、
「エアコンを使用する際、日本車は25℃、欧州車は22℃の設定が最も燃費に良い」
という記事がありましたが、正直これは疑問です
日本車は25℃設定が良いのはわかりますが、欧州車でも22℃設定にすると燃費は激しく悪化します
可変容量式コンプレッサーが一般的になってる今日では、欧州車であっても高めの25℃前後が燃費が良い可能性が高いです
少なくとも私がドイツ車で確認した限り、設定温度は高い方が燃費はよかったです
マニュアルよりオート設定
オートエアコンが付いている車では積極的にオート設定を使った方が燃費は良くなります
オートエアコンは設定温度に達すると、徐々にエアコンの出力を弱める為、コンプレッサーにかかる負荷が少なくなります
一方、マニュアルエアコンの場合は常にその設定した温度の冷気を出し続ける為、常にコンプレッサーには一定の負荷がかかり続けるからです
基本は内気循環
空調を外気導入にすると、常に車外の熱い空気を取り入れる為、その上がった温度を下げるためにさらにエアコンの力を消費します
ですからエアコンを使用する際は基本的には内気循環の方が燃費は良くなります
ただし、長時間に渡って内気循環にしていると車内の二酸化炭素濃度が上がりますので、たまに外気導入に切り替えましょう
車の色を明るい色に
以前の記事でも紹介しましたが、車のボディーカラーも車内温度に影響を与えます
特に黒系の車と白系の車では車内温度が2、3℃も違うため、黒系の方がエアコンのエネルギーを多く消費し燃費が悪くなります
サンシェードの使用
サンシェードを使用するとダッシュボードの温度を下げることができます
ダッシュボードは真夏には80℃近くにもなります
いくら車内を冷やそうとしても、ダッシュボードのような暑い熱源があるとエアコンのエネルギーを消費してしまいます
また、黒い革製の様なハンドルだと暑くてとても触れなくなります
ハンドルが触れる温度に下がるまでエアコンを使って待っていたのでは、ガソリンや時間の無駄です
サンシェードを使用していれば、車内温度で数℃、ダッシュボードで20℃以上下げる効果があります
5月頃から試運転を
日本では8月に差し掛かると夏も真っ盛りとなり、エアコンを使う人が増えることから故障による修理も多くなります
いざ8月にエアコンを使い始めたものの故障していて使えないとなると修理するしかありませんが、修理工場が混んでいたらその間エアコンを使えないことになります
真夏の猛暑にエアコンを使わないで運転すると熱中症になる危険があります
また、エアコンはずっと使わないでいるとオイルが循環しないため故障しやすくなります
5月になると季節的に気温が上がり始めますから、いちどこのタイミングでオイルの循環の意味も含めて試運転することをお勧めします
万が一エアコンが故障していても、この時期なら修理工場もそれほど混んでないと予想されるからです
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