煽り運転が免許取り消しになるらしいけど、本当に必要なのは制限速度の見直しだと思う【タブー?】
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最近何かと話題の煽り運転ですが、警視庁さんが「あおり運転」を免許取り消しの対象にするとの方針を決めた様です
なんでも、ドライバーに危機感を持ってもらうことで危険な運転を抑止するのが狙いだとか
でもこれって、なんかちょっと違う気がするんですよね
そもそも、なぜあおり運転は発生するのか
規制を強化すれば抑止できるものなのか
よく見るあおり運転の例で考えてみました
よく見るあおり運転のケース
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高速道路の追越車線を、
①時速100kmで走り続ける車に、
②後続車が急接近して、
あおり運転とも言える様な短い車間距離で走る状態があります
そんなケースは高速道路に乗れば必ず1回は見る気がします
でもこれって、どちらのドライバーにも言い分があるんですよね
①100kmで走り続けるドライバー
追越車線を時速100kmで走行するドライバーの言い分は、
「高速道路の法定速度は時速100kmなんだから、時速100kmで走行していて何が悪い」
です
②後続であおるドライバー
一方、その時速100kmの車を後ろから煽るドライバーの言い分は、
「追越車線なんだから、時速100kmなんて低速で走られたら迷惑。走行車線を走れ」
となります
法律的には①、実際の道路では②が正しいという矛盾
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法律的には①の時速100kmで走行するドライバーは間違ってることはしてません
それを後ろから煽るドライバーは時速100km以上出してるわけですから、むしろ法律違反は②のドライバーです
しかし日本で車を運転してる人ならご存知の通り、実際の交通では制限速度はほとんど守られておらず、
交通の流れに合わせてスピードを出す必要があります
この矛盾こそがあおり運転を発生させる最大の要因だと思うんです
だとすればどうすれば良いのか
制限速度の見直しです
日本の制限速度は50年前のまま
![](https://dodddon.com/wp-content/uploads/2019/11/images-17.jpeg)
現在の日本では、一般道路の制限速度は上限が時速60km、高速道路では時速100kmとなっていますが、
これらが制定されたのは1963年です
つまり、今から56年前の規格なんです
今から50年前といえば、初代トヨタカローラや日産サニー、トヨタコロナなどが販売されていた時代です
おりしも2019年の10月に乗用車別販売ランキングでカローラが販売1位になったので、
カローラでこの50年間の車の代わり具合を見てみましょう
初代カローラ
![](https://dodddon.com/wp-content/uploads/2019/11/images-12.jpeg)
スペック
【エンジン】
直列4気筒 1100cc
【ボディサイズ】
全長3,845mm
全幅1,485mm
全高1,380mm
【車両重量】
710kg
全長を除けば、ほとんど現代の軽自動車とも言えるサイズ
さらに車両重量710kgという軽さは、スズキのアルトワークス4wdとほぼ同じです
現代のカローラ
![](https://dodddon.com/wp-content/uploads/2019/11/スクリーンショット-2019-11-08-11.53.04.png)
スペック
【エンジン】
直列4気筒 1200cc/1800cc(+ハイブリッド)
【ボディサイズ】
全長4,495mm (+650mm)
全幅1,745mm (+260mm)
全高1,435mm (+55mm)
※()内は初代カローラとの比較値
【車両重量】
1250kg〜1440kg(+540kg〜+730kg)
もはや同じなのはカローラという車名だけ、とも言えるぐらいに全く別の車です
新型カローラを代表する現代の車には、ABSや横滑り防止装置、先進安全装置が装備されているわけですが、
初代カローラの頃の1960年代の車にはそんな装備は一切ありません
さらに衝突安全基準が50年前とは比べ物にならないほど厳しくなっているので、
万が一ぶつかってしまった時にも生存できる確率は明らかに違います
全員が制限速度で走らなきゃいけないわけじゃない
この手の話をすると必ず、
「車が進化しても人間が進化したわけじゃない」とか、
「制限速度が上がる事で事故が増える」
と言い出す人がいます
制限速度(正確には法定速度)って、上限の速度なので、
制限速度が上がったからといって全員がその速度で走らないといけないわけじゃないんです
だからゆっくり走りたい人は、今まで通り走行車線をゆっくり走ればいいんです
これをけっこう勘違いしてる人が多い様に思います
制限速度が上がっても事故は増えない
あと、そもそも制限速度60kmの道路を60kmで走ってる人は少数です
これは実際に車を運転してる人なら誰でも知ってる事実です
大体の車は時速80km程度は出してますから、仮に制限速度が60kmから80kmに引き上げられたとしても、
車がの流れが早くなるわけじゃ無いと断言できます
その証拠に、新東名高速の最高速度が時速110kmに引き上げられた際、
実際の車が走る速度は引き上げ前とほとんど変わらなかったというデータがあります
さらに事故数も引き上げ前と比べて大きな変化がありませんでした
この50年間で死傷事故は約5分の1に
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こちらは交通事故死者数の水位ですが、1970年に過去最悪の16,765人をピークに下がり続け、
2018年では3,532人と過去最低を更新し続けています
これにはいろんな理由があると思いますが、
1つには車の安全に対する技術の向上が貢献している事は間違い無いと思います
制限速度を見直すとどうなるのか
仮に法定速度を現在の道路で流れている平均速度にまで引き上げたとします
国は法定速度を定めておきながら、実は道路で車が走っている実際の速度を把握しています。
この事自体、「国が定めた制限速度を多くの車が逸脱してることを放置している」とも言えるのですが、それはまた別の話なので割愛します。
高速道路の追越車線は、道路や時間帯によっても違いますが、概ね追越車線は時速120km程度で流れています
ということから追越車線の制限速度を時速120kmにまで引き上げたと仮定します
例えば先ほどの高速道路上でのあおり運転のケースでは、①のドライバーが追越車線を時速100kmで走行すると上限の120kmよりも遅い速度ということになります
となると自分が法定速度よりも遅い速度ということになるので、
「法律が時速100kmまでだから」という後ろ盾がなくなるので走行車線に戻るか、追越車線で120kmまで速度を上げることになります
そうなると②のあおり運転をしていたドライバーは追越車線上を時速120kmで走行できるわけですから、煽る必要がなくなります
こうすることで、少なくとも高速道路上で発生している速度の矛盾が解決されあおり運転が解消されることになります
中国はあおり運転が少ない?
法定速度を見直せば全てのあおり運転が無くなるとは思いませんが、
制限速度と実際の流れる速度の乖離がドライバーにストレスを与え、あおり運転につながっているという側面がある事は事実だと思います
面白い記事を見つけたのでシェアしておきます
なんでも中国ではあおり運転自体が少ないのだとか
その理由は高速道路の最高速度が時速120km、最低速度が時速110kmに設定されているからなのだとか
危険な生活道路では取り締まりを強化
高速道路を時速120kmで走るよりも、細い生活道路を時速60kmで走る車の方が実際はうんと危険です
生活道路は小さい子供や自転車がいつ飛び出してくるかわかりません
つまり、高速道路のように危険の少ない道路では法定速度を上げて容認する一方で、街中の生活道路では厳しく取り締まるというやり方の方が実際には事故を減らすことができますし、ドライバーはメリハリがついて法定速度を守るという意識が芽生えます
警視庁には目先の罰則を追加するのではなく、実際の事故を減らすという観点から、根本的な改革を期待したいです
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