スマホしながらの運転は一発免停へ?ハンズフリーやカーナビ、飲食もNG?
最近、前方の信号が青になったのにしばらく気づかないドライバーが増えたと思いませんか?
今年(2019年)の12月からスマホ(携帯電話)を使用しながらの運転(いわゆる「ながら運転」)に対して罰則が強化されます
具体的には、車の運転中に携帯電話を手に持って通話したり、画面を注視したりする行為に対して違反点数と反則金が引き上げられます
この記事ではその詳細と、今後どうしたら良いのかということについて考察してみたいと思います
増え続ける「携帯使用に係る」事故
「携帯電話使用などに係る交通事故件数の推移」を見ると2008年では約1300件だったのが、2018年には約2800件と約2.2倍になっていることがわかります
細かく見ると、携帯電話の「通話目的」は少なくなっている一方で、「画像目的」とカーナビ等の「注視中」が増えています
2008年は時代はまだガラケーの時代でしたが、それがスマホに置き換わり始めた2011年、2012年から「画像目的」が増えていますね
おそらくグーグルマップやLineの使用が多くを占めるのではないでしょうか
さらに死亡事故で比較すると携帯電話を使用している場合には、約2.1倍に跳ね上がるとの結果が出ています
いまや警察による取締りの7件に1件は携帯使用
警察も運転中の携帯使用による取締りを強化しており、2018年では全体の取締り件数が約600万件だったのに対し携帯電話の使用で取り締まった件数は約84万件にも及んでいることがわかります
全体の取締り件数の実に7件に1件の割合です
スピードの取締りはよく見かけますが、携帯使用の取り調べはあまり見かけないので意外な結果ですね
強化される罰則
そんな携帯電話使用による事故が後をたたず、重大事故に繋がる可能性が高いことから2019年12月にさらに道交法が改正され罰則が強化されます
運転中に携帯を使用
保持
運転中に携帯を使用しただけの場合(保持)の罰則が、
「6月以下の懲役または10万円以下の罰金」+3点に引き上げられます
これは事故を起こさない段階で適用される緩い方です
もしも携帯を使用して事故を起こすと適用されるのが次の「交通の危険」です
交通の危険
運転中に携帯を使用し、さらに事故などを起こした場合(交通の危険)は、
「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」+6点に引き上げられます
さらに点数が一気に6点加算されますので「一発免停」になります
「運転中にスマホでLineの返信をしてたら事故った」
なんて、今日ではありふれた状況となりつつあります
つまりこの「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」+6点という罰則は、
スピード違反と同様に気をつけていないと誰でも適用されうるということです
携帯以外にもあった「ながら運転」
12月に改正されるのは主に「携帯電話などの使用」に関する罰則の強化ですが、
「ながら運転」は何も携帯電話だけに限った話ではありません
道路交通法では以下のようになっています
1・道路交通法
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/keitai/info.html
(運転者の遵守事項)
第七十一条 車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
五の五 自動車又は原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。第百二十条第一項第十一号において「無線通話装置」という。)を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。第百二十条第一項第十一号において同じ。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(道路運送車両法第四十一条第十六号若しくは第十七号又は第四十四条第十一号に規定する装置であるものを除く。第百二十条第一項第十一号において同じ。)に表示された画像を注視しないこと。
色々長ったらしく書いてありますが、簡単に要約するとこんな感じです
「運転中は携帯を持って通話しちゃダメだよ!スマホとかナビも画面を注視したらダメだよ!」
つまり携帯だけでなくナビも「注視」したら違反になります
「注視」と言うのが具体的にはどのくらいなのかは定かではありませんが、常識的に警察官が危険だと判断すると違反になると言うことです
ハンズフリーも違反
「なら携帯を持たないハンズフリーならオッケーなの?」
と思われるかもしれませんが、ヘッドセットやワイヤレスハンズフリーイヤホンのように耳に挿して使用するタイプだと違反になります
なぜなら多くの都道府県で条例によって運転中のイヤホンが禁止されているからです
片耳で会っても警察官の判断次第で取り締まられる可能性があります
信号待ちや渋滞中ならOK?
道交法をよく見てみると、「自動車が停止している場合を除き」とあります
ですから、「信号待ちは停車してるからOK?」となりそうですが、これはかなりグレーだと思われます
と言うのも、この「停止」と言うのは、
「エンジンが停止して安全な場所に止めている」状態だとも解釈できるからです
だとすればアイドリングストップ搭載車であっても信号待ちは、
「安全な場所に停止している」状態だとは言えません
そもそもこの道交法は「運転中の携帯なんかは危険だから取り締まろう」と言う趣旨です
信号待ちで携帯を操作していると、周りの信号なんかの状況を見逃す危険性があり、安全な状態だとは言い切れません
飲食はグレー
道交法では運転中の飲食を禁止する条文はありません
ですが、それが原因で危険運転になれば取り締まられる可能性はあります
車内でラーメンや牛丼を食べるとなると判断が難しいところですが、前方をしっかり見ながら飲み物を飲む程度なら大丈夫でしょう
法律を遵守するとこうなる
以上、一通りの道交法を理解してもらった上で、
法律を遵守するとドライバーの行動は概ねこんな感じになります
ナビは絶対に見ない
まず知らないところへ行くときは、事前に道を調べておき頭に入れておきます
もしくは発車前にナビをセットしたら、運転中は一切ナビを見ずに音声ガイドに耳を傾けて運転します
音声ガイドを聞き逃したらリルートの嵐です
ナビをみるときは一旦コンビニなどの駐車場に停車してからナビを確認します
ナビを確認したくなったらいちいち駐車場を探します
もちろん目的地に着く時間はその分遅くなります
スマホも絶対に使わない
運転前には携帯の電源を切ります、もしくは、
たとえ仕事の重要なメールや電話があっても、運転中はおろか信号待ちや渋滞での停車中でも絶対に電話に出ません
何時間かけてでも停車できる場所を探してから返信します
Lineのやりとりでさえもメッセージに返信するたびに停車場所を探します
ちなみに一旦走り出した後はコンビニなどの停車場所を探すのにスマホやナビを使うこともできません
あなたもできますか?
どうでしょう、あなたはこの様な行動がとれますか?
たぶん、多くの人には無理でしょう
通話やLineの返信は我慢できたとしても、ナビは見ないと目的地にたどり着けません
音声ガイドだけでは聞き逃すことも多く、現実的ではありません
また、これだけスマホが身近になった現代において、
「携帯を見るな」と言うのを老若男女全ての人に適用するには無理があります
ただこれだけを言われても、多くの人に守らせるのは難しいでしょう
罰則を強化すれば違反は減るのかと言う点についても疑問があります
飲酒運転は罰則の強化によって違反者を減らすことに成功しましたが、携帯は別です
なぜなら携帯電話は今や、通話だけでなくナビ機能やコミュニケーション道具としての役割もあり、
人によっては使用することが必須だからです
あなたはこうやってスマホを見てませんか?
運転中に携帯を使うと取り締まられることを知ってるのでしょう
最近、こうやって低い位置で周りから見えない様にスマホを操作してるドライバーを本当によく見かけます
しかし低い位置でスマホを見ると、前方と視線の移動距離ができるのでかなり危険です
現実的にお勧めできるグッズ
では現実的には運転中どうしたら良いのか、
というとスマホホルダーの使用をお勧めします
スマホホルダーはエアコンの吹き出し口に取り付けるタイプや、吸盤でダッシュボードに貼り付けるタイプなど様々で、値段も1000円程度から購入できます
スマホホルダーにスマホをセットすれば、手で持つ必要がないので少なくとも道交法の「保持」にはあたりません
さらに、エアコン吹き出し口などの運転席側の高い位置に取り付ければ、正面との目線の移動距離が少なくなるので危険が少なくなります
スマホでグーグルマップなどのナビを使う場合でも注視してはいけませんが、
ちらっと見る程度なら取締りを受けることもありませんし、安全運転にも問題はありません
メーカーの事情で取り付けられないのかもしれませんが、現代の車では標準でついていてもおかしくない装備です
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